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   ~音色の泉~
      
あなたが選ぶ色、私が選ぶ色
ーピアノの音色ー

ー目次ー
-Lektion1-    ートバイアス・マテイ『ピアノ演奏の根本原理』ー
-Lektion2-    ー音が出る場所ー
-Lektion3-    ー基本の考え方ー
-Lektion4-    ー手首ー意外と厄介なこの問題ー
-Lektion5-    -ツェルニ―の音楽言語ー
-Lektion6-    -アーティキレイションを見てみるー
-Lektion7-    -Lektion6における手の形ー
-Lektion8-      ーハイドンから見る古典派ー




Lektion1- ートバイアス・マテイ『ピアノ演奏の根本原理』ー

 音色を考えるきっかけとなったこの本。参考文献の項目に私なりの感想を書いておきました。
この本から私はタッチを考える事を学びました。例えば次の手の形は、この本から学んでいるし、ピアノの音の出る所の考察においても、本の中に書いてある、『鍵盤の事を常によく考え、その抵抗を測る事がいかに重要で、そして、ここで初めてピアニッシモがだせるだろう』と書かれている文章の後に出てくる練習方法からヒントを得ています。ですので、私が全てを考えたわけではもちろんないし、本を読んで頂ければそっちの方がいいとも思っています。本を読んで、その部分を自分なりに解釈した事がここでは書いてあります。
もし、私の演奏を聞いてくださった方がピアノの音に関して褒めてくださるのなら、私は自分の先生方とこの本に感謝します。そして、ピアノの音色に関しては誰もが習得できるテクニックであるという事だけは忘れないで欲しいと思います。





ー卵をつかむ手の形ー 



このキャッチフレーズ、昔ピアノを習ったときに言われたことがある方はいるのではないのでしょうか?手のひらのなかに卵を入れるように。っと。こういう弾き方が日本では主流になっているような気がしますが、これは1つの選択肢でしかないと私は確信しています。手のひらの中に卵を入れる形の大きな特徴は、マテイ教授によれば『鍵盤に対し急激な作用を与えるので、シャープな音は出るが、遠くへは飛ばない』としています。私は古典派、ロマン派におけるメロディーを浮き立たせたい時なんかにつかっています。






では一方で、悲しげな曲、葬送行進曲のような曲には適しているでしょうか?
私はだんだんと響いていくような音を出したいと思ったときは指を伸ばしきった状態で弾いています。卵をつかむ手の形が鍵盤に垂直に作用すると書きましたが、マテイ教授はこちらについて、『この指の構えは弾力性に富み、鍵盤に対して徐々に作用するので、この柔軟なタッチは、歌うような遠くへ響く音をだし、また音の強弱のニュアンスでも、より高度な正確さをもたらす』。としています。

音色の選択という面に置いて、どちらの手の形を選ぶか、これがまず第一歩です。慣れるまでは分かりにくいかもしれませんが、自分の音を本当の意味で聴くことが大事です。

次のLektion2では音の出る場所を観察してみようと思います。

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