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   ~音色の泉~
      
あなたが選ぶ色、私が選ぶ色
ーピアノの音色ー
ー目次ー
-Lektion1-   ートバイアス・マテイ『ピアノ演奏の根本原理』ー
-Lektion2-   ー音が出る場所ー
-Lektion3-   ー基本の考え方ー
-Lektion4-    ー手首ー意外と厄介なこの問題ー
-Lektion5-    ーツェルニ―の音楽言語ー
-Lektion6-    ーアーティキレイションを見てみるー
-Lektion7-
    ーLektion6における手の形ー
-Lektion8-     ーハイドンから見た古典派ー





Lektion4ー
 ー手首ーー意外と厄介なこの問題ー

  手首は柔軟に。こんな簡単な事までこの人は説明するのか、と思う人もいるかもしれませんが、それはあなたが手首が柔軟なままピアノを弾いてきたからであると断言できます。これは出来る人と、できない人とでは全然違ってくる、かなり厄介な問題の1つだと私は考えています。なぜ、手首が固まっていると良くないのでしょうか?想像してみてください、もし手首だけではなく、あなたが、全身に力を入れて、全てが硬直した状態を。あなたはその状態で歩けるでしょうか?おそらくかなり難しい、あるいは、できないのではないでしょうか?手首がそれ自体かたまってしまうと、せっかくの脳からのこうやって弾きたいという思いが、そこで途切れて、鍵盤に伝わらないと私は考えています。
 
 では一言で、手首を柔らかくしましょうで治るなら、この問題はそれほど重要ではありませんが、この手首が固いと言うのを治すのは、一度ついてしまった習慣を矯正するのと同じ事なので、かなり難しいです。何度も出てくる私の敬愛するルッツ先生は、元々オルガンを弾いていた影響で(他のオルガニストの方は分からないのですが、少なくとも私の先生は)手首が固いと言われて、半年間、それを治すだけでレッスンが終わっていたそうです。私が聞いた彼が受けたレッスンは、何の和音でも良いので、それを弾いた後、和音が鳴っている間、手首をぐるぐる回す、だったそうです。最初私は何を言っているのだろう、と思って試しにやってみたのですが、これがかなり難しい。まずぐるぐる回せないのです。ぐるぐる回すには本当に余計な力が入っていないのと、手首の抵抗を無くしていく事にあります。これを半年間やり続ける事の目的は、手首の抵抗を次第に解消していくのが目的だったのではないだろうかと今は思っています。最初は大げさに手首を回してみてください、肩肘張らず、遊んでいると思ってやってみてください。


次のLektion5では、ピアノを習ったことがある方ならなんとなく名前を聞いたことがある、ツェルニーの考え方を、彼の著書を通じて見ていきたいと思います。



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