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〜伴奏という広い世界〜
      
  伴奏者としての私


ー目次ー
 
ーLektion1ー   ーまず手始めにー
 
ーLektion2ー   ー歌ってみようー
 
ーLektion3ー   ー処方箋としてのブレスー
 
ーLekiton4ー   ー前置き・本題ー
 
ーLektion5ー   ー本題その2
 
ーLektion6ー     ー有節歌曲ー
 
ーLektion7ー     ー伴奏が好きな理由ー
  ーLektion8−    −伴奏が好きな理由2−
  ーLektion9−     ー伴奏について最近思う事ー
 ーLektion10ー    −F.シューベルトー
 ーLektion11ー    ー歌曲に取り組むー
 −Lektion12ー     −歌曲に取り組む・その2−
  ーLektion13ー     −拍についてー
  




ードイツ歌曲をグループ分けしてみるー



・J.ハイドン、F.シューベルト、R.シューマン、(J.ブラームス)
・(J.ブラームス)、F.メンデルスゾーン
・W.A.モーツァルト、G.マーラー、H.ヴォルフ、R.シュトラウス


前回少し触れたのだけど、私はリズムと拍を使って、ドイツ歌曲をグループ分けしてみる事にした。上に書いてあるのは今自分が思うグループ分けだ。ハイドンのグループはリズムの力が強く、モーツァルトのグループは拍の力が強く、メンデルスゾーンのグループはその中間に位置する。

上に書いたグループ分けは、まだまだ改善の余地があるから、参考にはならないかもしれない。それに、たとえ同じようにリズムと拍で分けたとしても、人によってはこれとは全く違うグループ分けになるだろう。それでも今回書いてみようと思ったのは、どの作曲家がどこに属しているのかという事よりも、グループ分けすること自体が重要だと思うからである。なぜなら、グループに分ける事で、私は自分の伴奏の解釈を見直す事が出来たと思うからだ。

※私はリズムを、流れの中の一連の形が持つ力であり、スポーツ選手が時々使う、ゲームのリズムが良かった、と言う時のリズムと同じような意味で使い、拍を、リズムを補完するもの、抑制するもの、または束ねるもの、という意味で使っています。もしこちらにご興味を持たれた方がいたら、前回前々回を見ていただければ嬉しいです。



ードイツ歌曲を例えるー


ドイツ歌曲の作曲家は、最初に挙げた作曲家以外にもご存知の通り沢山いる。ドイツ歌曲の作品は、シューベルトだけでも600を越える数の歌曲を書いているし、膨大な数がある。また、シューベルト以前から現代に至るまで幅広い時代にドイツ歌曲は作曲されている。という事を考えると、ドイツ歌曲というジャンルの範囲は相当に広いという事だ。だけど、それだけ広い範囲のものを扱っているのに関わらず、ドイツ歌曲は分類されていない。例えば、ピアノ作品のバロック、古典派、ロマン派と言ったように。
ドイツ歌曲が示す範囲は広いのに、分類されていない事が原因で、頭のどこかで、自分が好きな作曲家や作品の解釈を拠り所にして解釈してきたように思う。突然ではあるけれど、ドイツ歌曲をイタリア料理に例えてみよう。


パスタやピザ、魚料理、肉料理、パンナコッタと言ったドルチェ、そういう風にイタリア料理の中に、様々な種類の食べ物がある。私たちはそれらを同じ種類の食べ物だとは思っていないけれど、それらがイタリア料理だという事は、認識していると思う。


ドイツ歌曲について語られたり、レッスンを受けたりする時、作曲家の個性や特徴について語る事が多い。だから私は、パスタとピザはイタリア料理だけど違うもの、というように、きちんと分けてドイツ歌曲を考えていると、勝手に思い込んでいた。だけれども、リズムと拍に対して明確な考えを持った時、これは分けて考えているのではないと思うようになった。


分けて考える事でないのなら、作曲家の個性や特徴について語る事は何だったのだろう。私にとって、これはイタリアレストランについて語る事と同じだったのだと思う。「シューベルト」というレストランはこういう雰囲気で、こういう味で、「ヴォルフ」というレストランはこういう感じで、と言ったようにだ。
その上で私は、自分のお気に入りのレストランを通じて、イタリア料理を見ていたのだと思う。やっぱりシューベルトが好きな私は、その味や雰囲気を、他のレストランにも求めてしまっていたと思う。つまり、私は、シューベルトのドイツ歌曲を解釈するスタンスをどこかで持ちながら、他の作曲家のドイツ歌曲を解釈をしていたのだと思う。


リズムと拍を使ってドイツ歌曲を分類してみる事、作曲家をレストランではなく、パスタのグループ、ピザのグループと言う様に分ける事で、ようやく、特定の作曲家を通してではない解釈ができるような気がした。
また、パスタと言ってもオイル、トマト、クリーム、そんな風に色々ある。例えば、シューベルトとシューマンがパスタのグループに入るとするならば、オイルはシューベルト、トマトはシューマンという風にも分類できる。それらはパスタだけど味が違う、そしてピザのグループとも違う、でもイタリア料理、そう捉える事もできると私は思う。


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イタリア料理を出したことでわかりづらくなったのかも、と思ったりもしますが、イタリア料理が無かったらこれは書けなかったとも思います。

私が分類を考えるきっかけになったのは、リートとオペラは違う表現を求められる、と言う人もいれば、リートもオペラと同じ表現で良い、と言う人もいて、もっと話すように!と言う人もいれば、もっと歌って!と言う人もいる事でした。

初めは、違う表現を求めるべきだし、もっと話すように歌った方が良い、という考え方に肩入れしていた私なのですが、色々な歌い手さんとご一緒する事で、リートの中にもオペラ的要素、私にとってこれは拍なのですが、そういう要素もあるのだと思うようになりました。

私は、私なりの分類を持つことで、弾きやすい作品とそうでもない作品の溝が少し埋まった気がしています。もし、ドイツ歌曲に取り組んでいる方で、得意な作曲家とそうでない作曲家をどうしようと悩んでいたら、ドイツ歌曲をいくつかのグループに分けてみるといいんじゃないかと思います。こんな事書いてる人がいたなぁと思い出していただけたらとても嬉しいです(笑)

次回は、今回書いたグループに分ける事自体の考察から、グループ毎の私の解釈の仕方を書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。


お読みいただきありがとうございました!


井出コ彦










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